私たちのからだは、心臓や腎臓、肝臓、すい臓、消化管などの臓器やそれらをコントロールする脳が、絶妙なバランスを保ちながら働くことで、正常な状態に保たれています。
これらがどれか1つでも異常をきたすと、バランスが崩れて、思わぬところに異常が現れます。この異常は、すぐに現れる場合と、数年、数十年と長い年月をかけてゆっくり進行し、ある日突然、致命的な症状となって現れる場合があります。
血圧や血糖値、悪玉コレステロールと呼ばれるLDL-コレステロール値が高くなりはじめたということは、これら臓器のバランスが崩れはじめたことのサインかもしれません。つまり、信号が黄色になった状態です。赤信号に変わってしまうと、さまざまな不調が現れ、元に戻れなくなる可能性があります。
血圧や血糖値、LDL-コレステロール値が高くなるのは、黄色信号
このままにしておくと、信号は赤に変わります。赤信号になったらどうなるのかはこちら >
| 血圧1) | 家庭で測る血圧 | 病院で測る血圧 |
|---|---|---|
| 収縮期血圧 | 125mmHg以上 | 130mmHg以上 |
| 拡張期血圧 | 75mmHg以上 | 80mmHg以上 |
| 脂質2) | |
|---|---|
| LDL-コレステロール | 120mg/dL以上 |
| HDL-コレステロール | 39mg/dL以下 |
| 中性脂肪 | 150mg/dL以上 |
| 血糖値2) | |
|---|---|
| 空腹時血糖 | 100mg/dL以上 |
| HbA1c | 5.6%以上 |
| その他2,3) | |
|---|---|
| 尿たんぱく注1 | 陰性(-)が基準 |
| eGFR注2(推算糸球体ろ過量) | 60mL/min/1.73m2未満 |
| 尿中アルブミン※ | 30.0mg/日以上 |
これらの値を超えないように、
生活習慣を見直すことが必要です。
血圧の高い状態が
続くと、
心臓や血管がダメージを受けます。
動脈硬化※1、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、心不全※2、慢性腎臓病※3
LDL-コレステロール値の
高い状態が続くと、
血管がダメージを受けます。
動脈硬化※1、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、心不全※2、慢性腎臓病※3
血糖値の高い状態が
続くと、
血管や神経がダメージを受けます。
動脈硬化※1、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、心不全※2、慢性腎臓病※3、失明、認知症
動脈の血管が硬くなって弾力がなくなった状態。血管の壁にLDL-コレステロールという悪玉コレステロールが入り込んだり、血栓が生じたりして血管が詰まりやすくなります。動脈硬化が脳で起これば脳梗塞、心臓を囲んでいる血管で起これば心筋梗塞となります。心臓にできた血栓(血の塊)が脳の血管に詰まると脳塞栓となります。

心臓のポンプ機能が低下して、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態です。血液が肺にうまく流れなくなると息苦しくなり、全身にうまく流れなくなるとむくみが生じます。
腎臓の働きが低下して、体内の老廃物や余分な水分などを排泄できなくなった状態です。慢性腎臓病(CKD)という状態になっても、はじめのうちは自覚症状がありません。進行すると、非常に疲れやすくなる、夜中のトイレの回数が増える、むくみなどの症状が現れ、最終的には、血液透析という治療が必要になります。しかし、CKDは早期発見・早期治療を行うことにより、進行を抑制することができます。CKDの早期発見に重要な検査として、eGFR、尿たんぱく、尿中アルブミンがあります4)。これらは腎臓の能力(腎臓の働きの程度)を調べるものです。
| eGFR | : | 数値が低いと腎臓の機能が低下している可能性があります。 |
| 尿たんぱく | : | 陽性(+以上)の場合、腎臓のろ過機能が悪くなっている可能性があります。 |
| 尿中アルブミン | : | 尿中にアルブミンというたんぱく質の一種が出現します。糖尿病性腎症の早期発見に役立ちます。 |
どの検査値異常も、最終的に心臓や腎臓の病気につながる可能性があります。
その理由をまず、心臓と腎臓の働きから説明します。
4)一般社団法人 日本腎臓学会「一般のみなさまへ 腎臓の病気について調べる 2.腎臓検診でわかること」https://jsn.or.jp/general/kidneydisease/symptoms02.php (2023年11月参照)